技術情報

2009630日()

ワイヤレスマイクECM-HW1利用時の音の寸断に関して

 ワイヤレスマイクECM-HW1利用時に,近くに別のワイヤレスマイクや無線LAN機器(ロケーションフリー)があると,音の寸断が起きる可能性があります。
 ビデオ収録の際には,ワイヤレスマイクを同時に複数台使用しないようにしましょう。ワイヤレスマイクの送信機と受信機は1m以上離して使いましょう。無線LAN機器は,ワイヤレスマイクから離しておく必要があります。


 10万円未満の民生用のビデオカメラで外部マイク(ワイヤレスマイクを含む)を利用できる機種は非常に少ないです。司法面接支援室にあるビデオカメラ(SONYのSR220)は,ワイヤレスマイク(ECM-HW1/ECM-HW2)を繋ぐ事ができます。


 ワイヤレスマイクECM-HW1は,Bluetooth という通信方法を用いて,ワイヤレス音声を実現しています。運動会,学芸会や講演会などのような,広い会場で用いる場合には(ほとんど)トラブルが内容ですが,司法面接のような比較的狭い部屋で用いる場合には,トラブルを起こす可能性があります。
 これまでに起きたトラブル例
 1】複数のマイクを用いた時に,音の寸断が起きた
 2】無線LAN機器がある狭い部屋で用いた時に,音の寸断が頻発した


1】複数のマイクを用いた時に,音の寸断が起きた
 比較的広い部屋で,2台のワイヤレスマイクECM-HW1を用いた時に,数回,音の寸断が起きました。2台の間で混線が起き,Bluetoothの再ペアリングが行われたと想像されます。
◆対策:
 ◇ワイヤレスマイクECM-HW1を同時に複数台使用しない。
 ◇もしも複数台用いる場合は,各機器を1m以上離す(メーカーのマニュアル依存)。


2】無線LAN機器がある狭い部屋で用いた時に,音の寸断が頻発した
 3帖程度の狭い部屋の中で1台のワイヤレスマイクECM-HW1を用いた時に,継続的に音の寸断(聞き取り困難)が起きました。部屋の一方の壁にはワンウェイミラーが置かれていました。ワイヤレスマイクECM-HW1の送信機と受信機の距離は,1m強でした。ビデオ画像と音声を隣室で観るために,無線LAN機器(ロケーションフリー)を利用していました(無線マイクとの距離:約50cm)。
 無線LAN機器(ロケーションフリー)が近くにあったた事が一番大きな原因であったと想像されます。無線LANとBluetoothは,ほぼ同じ周波数帯を用いるため,混信を起こす可能性があります。

■再現実験
 ワイヤレスマイクECM-HW1と無線LAN機器(ロケーションフリー)が近くにある場合の影響
  無線LAN機器との距離 音声の寸断
  10cm程度      発生した
  20cm程度      発生しなかった
  50cm程度      発生しなかった
 司法面接支援室内での実験では10cm程度と極端に距離が近い場合のみ発生し,20cm以上離した場合には発生しませんでした。
 【2】のトラブルは,無線LAN機器(ロケーションフリー)は通常では問題なしと想像される50cm距離に置かれていたが,部屋が狭くしかもワンウェイミラーがあったことなどが影響を与えたと想像します。

◆対策:
 ◇ワンウェイミラーがある小さな部屋では,無線LAN機器(ロケーションフリー)を室外に置くなどの措置が必要。。
 ◇教室程度の大きさの部屋であれば,1m以上離す事で問題はないと想像する(メーカーのマニュアル依存)。


★その他
 ワイヤレスマイクの送信機と受信機は1m以上離して使いましょう。
 放送局などで用いるワイヤレスマイクには,近距離で用いる為に,電波を弱くする機能があります。これは,近距離で電波が強すぎる際に,誤動作を避ける為の機能です。ワイヤレスマイクECM-HW1には,電波を弱くする機能はありません。Bluetooth通信ではこの問題は起きないのかもしれませんが,ワイヤレスマイクの送信機と受信機は1m以上離して使うのが安全と思われます。
31123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829301234
司法面接支援室 : 立命館大学 ・ 大阪いばらきキャンパス(OIC) ・ OIC総合研究機構 / 総合心理学部