催し物

2018526日()

シンポジウム 「基礎研究から新たな実践へ:トラウマ記憶とアタッチメント ―児童虐待における司法面接と心身のケアとの連携への示唆―」

【田中晶子研究グループ企画】

1)企画趣旨
 児童虐待の被害に遭った子どもたちへの支援では、様々な職種・立場の専門家が関わります。児童相談所・警察・検察は、子どもの安全の確保・保護、そして、被害事実を認定するための正確な情報収集を行う役割を担います。同時に、医師、看護師、臨床心理士(カウンセラー)は、被害を受けた子どもの診察、診断、心身のケアを行う役割を担うことになります。そして、法的なサポートは弁護士が、福祉的なサポートはソーシャルワーカーが、さらに、教育や保育を担う専門家も子どもの支援に関わることになるでしょう。このような多種多様な背景、そして、専門性を持つ実務家がうまく連携・協働しながら子どもをサポートするためには、被害を受けた子どもの「心の状態」について理解し、知識を共有する必要があります。
 虐待によって子どもが受ける心理的な影響の代表的なものとして、愛着(アタッチメント)形成と、心的外傷(トラウマ)の問題があげられます。近年のアタッチメント研究では、愛着理論の新しい枠組みが開発され、子どもや親の愛着形成の方略を査定し、その査定結果をケアの方向性を決める際に活用する方法が提案されています。また、トラウマ記憶に関する基礎研究でも様々な進展がみられ、臨床実践へ多くの示唆がなされています。本シンポジウムでは、心理学の研究領域における、アタッチメント研究、そして、トラウマ記憶研究の分野で活躍しておられる研究者に、最新の研究知見をわかりやすく紹介していただきます。
 被害を受けた子どもへの支援には、実務家と研究者の連携も重要です。困難な状況にある子ども・保護者への「より良い事実確認と心身のケアの連携」を目指し、実践の理論的側面への理解を深めるとともに、基礎心理学研究や臨床心理学研究から新たな実践へ挑戦するシンポジウムにしたいと考えております。本シンポジウムが最新の研究成果と虐待対応に関わる実務家とをつなぐものとなればと思います。関心をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております。

2)日程
 平成30年5月26日(土)13:00-17:00(12:30開場)

3)場所
 立命館大学おおさか茨木キャンパス AN210講義室
(〒567- 8570 大阪府茨木市 岩倉町2-150)
<アクセス>
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/r2020/campus/oic/access/map.html/
<フロアガイド> http://www.ritsumei.ac.jp/rs/r2020/campus/oic/common/file/about/floor_guide.pdf 
(6ページをご覧ください)

4)対象
 検察官,警察官,弁護士,児童相談所職員,医療関係者, 臨床心理士(カウンセラー),教員, 保育士,家庭裁判所調査官,研究者 など

5)定員  160名

6)費用  無料

7)プログラム(予定)
13:00 – 13:15 はじめに:企画趣旨 田中晶子(四天王寺大学 人文社会学部 准教授)

13:15 – 14:45 話題提供①:トラウマ記憶研究の現在
 ・丹藤 克也先生(愛知淑徳大学 心理学部 准教授)
  「情動的な出来事の想起と偽りの記憶」
 ・松本 昇先生(名古屋大学大学院 情報学研究科 日本学術振興会 特別研究員(PD))
   「トラウマ記憶のメカニズムと治療」

14:45 – 15:00 休憩

15:00 – 16:00 話題提供②:アタッチメント(愛着)による虐待のアセスメントと援助
 ・三上 謙一先生(北海道教育大学 保険管理センター 准教授)

16:00 – 16:10 休憩 

16:10 – 16:50 質疑・ディスカッション 上宮愛(立命館大学 OIC総合研究機構 専門研究員)
16:50 – 17:00 おわりに  安田裕子(立命館大学 総合心理学部 准教授)

8)WEB申し込み
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe-RC_v3eOSb2MKQEQ1GT2NV7RU0VKFHFaZqgwotFd7MJtYIg/viewform
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司法面接支援室 : 立命館大学 ・ 大阪いばらきキャンパス(OIC) ・ OIC総合研究機構 / 総合心理学部